職場トラブルよろず相談所

JAMゼネラルユニオンが運営する無料の労働相談ダイヤルです。

外国人に割増残業代を支払わない会社は多い

パワハラで相談に来た外国人の給与明細です。

最低賃金(東京)の1,041円で月269時間も働かせている。

割増残業代(2割5分増分)を支払っていない。

しかもここは大企業で1ヶ月60時間を超える時間外労働を行う場合は5割増の支払い義務もある。

外国人の無知に付け込んで、割増残業代を支払わない企業は多い。

本当に多い。

日本人には支払っているのに、外国人には支払ってないのです。

 

 

雇調金の不正受給の動かぬ証拠

雇調金の不正受給の動かぬ証拠。

外国人技能実習生からセクハラの相談が入り、念のため給与明細書をもらったのです。 毎日出勤しているのに、欠勤していることになっているし、休業手当が払われています。

すぐに労働局職業対策課に通報しました。

このように外国人が日本語がよくわからない事をいいことに、雇用調整助成金を不正に受給している会社多いです。

 

オーバーワーク(不法就労)した外国人が労基署に違反申告したら入管に通報されるのか?

 オーバーワーク(不法就労)した外国人への賃金不払い問題が多発している。外国人労働者は、労働基準監督署へ違反(賃金不払い)の申告をした場合、入管へ通報されることを恐れて、泣き寝入りするケースが散見される。

 国の見解は、「申告に対応する過程において、申告等に係る外国人労働者不法就労者であることが判明することがあり得るが、労働基準監督機関としては、まず、法違反の是正を図ることにより本人の労働基準関係法令上の権利の救済に努めることとし、原則として入管当局に対し通報は行わないこととしている。」のである。

 心配しないで労働基準監督署へ違反(賃金不払い)の申告をして欲しい。

 

 

  引用元  社長のための労働相談マニュアル

  https://www.mykomon.biz/gaijin/koyo/koyo_keiyaku.html

国の見解

入管法不法就労である外国人労働者の入管当局への情報提供について

 

外国人の不法就労等に係る対応については、昭和63年1月26日付け基発第50号及び基発第4号において通達、指示しているところであるが、本通達の運用に関連して、最近、労働基準監督機関に対する申告・相談に係る出入国管理行政機関への情報提供について一部において疑義が生じている面があることから、外国人労働者相談コーナーが設置されたことに伴い、これを明確にするため、本省においては、報道機関等への対応について別紙の方針で対応することとしたので、貴職におかれても、業務の運営、報道機関等からの問い合わせに対してこれを踏まえて対応されたい。

 

別紙

問 入管法不法就労である外国人労働者が労働基準監督機関に対し申告、相談を行った場合、入管当局に対する通報を行うのか。

 

答1 労働基準法等労働関係法令は外国人労働者に対しても適用されるものであり、申告、相談を通じて外国人労働者について、賃金不払、最低賃金違反等法違反の事実を承知した場合には、労働基準監督機関として当然その是正に努めることとなる。

 

2 ところで、申告に対応する過程において、申告等に係る外国人労働者不法就労者であることが判明することがあり得るが、労働基準監督機関としては、まず、法違反の是正を図ることにより本人の労働基準関係法令上の権利の救済に努めることとし、原則として入管当局に対し通報は行わないこととしている。

今回、都道府県労働基準局に設置することとしている「外国人労働者相談コーナー」における取扱いも同様である。

 

3 なお、不法就労者を放置することが労働基準行政としても問題がある場合、すなわち、①不法就労者に関し重大悪質な労働基準関連法令違反が認められた場合、②不法就労者に関し労働基準関係法令違反が認められ、司法処分又は使用停止等命令を行った場合、③多数の不法就労者が雇用されている事業場があり、当該不法就労者について労働基準関係法令違反が行われるおそれがある場合等については、入管当局に対し通報を行うこととしている。

 

(平成元年10月31日 基監発第41号 ※なお、本通達は部内限扱いであるため、以下の著書から転載しました。出典:「外国人労働者労働災害 天明佳臣編著 海風書房 1991.8.1)

 

 

 

自主性不備組合(法外組合)とは何か

 先日「法外組合」の事が話題となりました。ユニオンショップ協定を結ぶ第一組合から離脱して第二組合ができたのです。やや積極的な活動を回避しようとしている運動方針なのですが、それを指して「法外組合」と言っているのです。さらに「法外組合だから法的保護を受けられない」と言っているのです。
 まず何を根拠に「法外組合」と言っているのか分かりませんでした。私が聞いている範囲では間違いなく法適合組合です。仮に「法外組合」であったとしても、刑事免責,民事免責,不利益取扱いの民事訴訟による救済は可能です。

 

 そんなことがあり、法外組合についてまとめてみました。

 

 

自主性不備組合(法外組合)とは何か

 

1 日本国憲法における労働組合

 

日本国憲法28条は,「労働者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動する権利は,これを保障する」と定めている。すなわち,労働者が自分たちの労働条件の改善のために労働組合をつくり,使用者と団体交渉を行い,さらに団体交渉が行き詰った場合に自分たちの主張を貫くため,団体行動(ストライキ)に訴えることができるという権利を,労働基本権として保障している。

 

 

2 労働組合法における労働組合

労組法は,その適用対象である労働組合を,「労働者が主体となって結成し,労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的としていること」(2 条)と定義している。

労働組合の要件をまとめると,上記の他に下記の点を挙げることができる。

(1)構成主体

労組法3条により規定された「労働者」が「主体」となり構成されていること。

(2)自主性

使用者から完全に独立を果たしており,労組法2 条2 号但し書きで定められた例外規定以外のいかなる経費援助も受けていないこと。

(3)団体性

複数の人間の結合体であり,組合規約を有し,運営のための組織を有していること。

 

労組法2条は日本国憲法28 条の保障を受ける労働組合のうち,一定のものを法内組合として労組法の適用下に置くことになる。2条但し書きにおいて「労働組合」に該当しない場合を4つ挙げている。これらの定義に合致する労働組合を「法適合労働組合」(法内組合)と呼ぶ。

 

労働組合法第2条

 

第2条 この法律で「労働組合」とは、労働者が主体となって自主的に労働条件の維持改善その他経済的地位の向上を図ることを主たる目的として組織する団体又はその連合団体をいう但し、左の各号の1に該当するものは、この限りでない。

 

1.役員、雇入解雇昇進又は異動に関して直接の権限を持つ監督的地位にある労働者、 使用者の労働関係についての計画と方針とに関する機密の事項に接し、そのためにその職務上の義務と責任とが当該労働組合の組合員としての誠意と責任とに直接てい触する監督的地位にある労働者その他使用者の利益を代表する者の参加を許すもの

2.団体の運営のための経費の支出につき使用者の経理上の援助を受けるもの。但し、労働者が労働時間中に時間又は賃金を失うことなく使用者と協議し、又は交渉することを使用者が許すことを妨げるものではなく、且つ、厚生資金又は経済上の不幸若しくは災厄を防止し、若しくは救済するための支出に実際に用いられる福利その他の基金に対する使用者の寄附及び最小限の広さの事務所の供与を除くものとする。

3.共済事業その他福利事業のみを目的とするもの

4.主として政治運動又は社会運動を目的とするもの

 

法適合組合にしか認められない効力

法適合組合は、憲法上及び労働組合法上与えられる法的保護の全てを享受することができる。具体的には、労働組合法上法定された手続への参加、不当労働行為制度に基づく救済手続の利用労働協約への特別の効力の付与、刑事及び民事免責、不利益取扱いに対する司法的救済を受けることができる。

 

3 自主性不備組合(法外組合)に対する保護とは

 

これらの要件のうち,労組法2条但し書き1号,2号のいずれかもしくは両方を満たさない組合は「自主性不備組合」として労組法上の労働組合とはみなされず,労組法による法的保護を受けることができない。

ただし同上本文の基本的要件を満たしていれば,日本国憲法における労働組合には該当すると考えられるので,憲法上の効果として生じうる法的保護,具体的には,刑事免責,民事免責,不利益取扱いの民事訴訟による救済は可能である。

 

菅野「労働法」

労働組合の定義に関する基本的要件(2条本文)をみたせば、憲法28条が団結権、団体交渉権、団体行動権の享受主体として予定している労働組合(「憲法上の労働組合」)には該当すると考えられるので、かかる組合でも憲法上の効果として当然生ずるような法的保護、すなわち刑事免責、民事免責および不利益取扱いの民事訴訟による救済は享受する。

 

 

 

ひろばユニオンの2022年6月号に、当ユニオンの活動が掲載されました。

ひろばユニオンの2022年6月号に、当ユニオンの活動が掲載されました。
電話での労働相談は、若い世代にとっては、不安でストレスな行為なのです。学生時代までの自分が経験してきたコミュニケーションとは違うからです。
若い職員の皆さんのご意見を伺い、SNS相談を拡充したのです。そしたら若年者層の相談が爆発的に増加しました。



骨抜きにされる職業安定法の理念 外国人の苦境に乗じる貧困ビジネスに歯止めを

私たちの活動が東京新聞で紹介されました。この記事で紹介されているミャンマー🇲🇲人への呼びかけ文は、私たちがSNSにアップしたものです。
骨抜きにされる職業安定法の理念 外国人の苦境に乗じる貧困ビジネスに歯止めをかけるべきです。
 
***********************

骨抜きにされる職業安定法の理念 外国人の苦境に乗じる貧困ビジネスに歯止めを

東京新聞 2022年4月19日 06時00分

 ミャンマー人の留学生らが、就職紹介をうたう企業に多額のお金を払わされる例が相次いでいることが分かってきた。求職者からの手数料の徴収を禁じた職業安定法の理念は「骨抜き」にされているのが実態だ。母国の政情不安に直面する外国人の苦境に付け込む貧困ビジネスの横行に、歯止めをかける必要がある。(編集委員・池尾伸一) 

 

 一般に職業紹介業は、人材の紹介を受ける企業からの報酬や求人広告料で利益を得ている。だが外国人向けでは、ブローカーや業者による求職者からの搾取がはびこる。
 研修を名目に外国人が日本で働く「技能実習制度」では、仲介業者が数十万から時に100万円を超える借金を背負わせて日本に送り出し、給料から返済させる慣行が続く。
 留学生向けの一部の職業紹介業者は、面接指導などの名目でお金を徴収するが、指導の実態は乏しい。一方でお金を払わねば紹介は受けられず、実質的には紹介手数料の性質が濃厚だ。
 指宿昭一弁護士は数年前、50万円以上の手数料を払い戻ってこなかったネパール人の相談を受けた。被害状況を厚生労働省に伝えたが業者への指導はなく「政府は外国人の権利を守る意識が弱い」と批判する。
 
政情不安にさらされる人々への政府の人道的配慮も乏しい。ミャンマー人の難民申請が急増する中、昨年1年の難民認定は、3000人以上の申請に対しわずか32人。政府は昨年5月、就労も認める在留資格を与える緊急対応を打ち出したが、在留期間は6カ月限定(今年4月15日からは1年間限定)で、期限ごとに厳格な審査を受けねば更新されない。「この資格では満足な賃金を得られる仕事に就くのは難しい」(在日ミャンマー人)という。
 一方、日本で身につけた技能を生かせる企業に就職できれば5年の在留資格が得られる。母国に帰るに帰れず、緊急対応策でも救済されないミャンマー人留学生らはわらをもつかむ思いで「就職紹介ビジネス」に頼っているのが現状だ。
 
 政府はウクライナからの避難民には当初から、1年の滞在ができる資格を特別に与え、就労支援や住宅支援も行う。全国難弁護団連絡会議代表の渡辺彰悟弁護士は「ウクライナだけでなく政情不安で母国に帰れない人々が自立できる環境を整えるべきだ」と話す。 
 
 

ミャンマー人標的の搾取が横行 「面接指導」名目で手数料、違法の疑い  母国に帰れない弱みにつけ込む

ミャンマー人標的の搾取が横行 「面接指導」名目で手数料、違法の疑い  母国に帰れない弱みにつけ込む:東京新聞
 
私たちのユニオンの活動の一端が東京新聞の一面に掲載されました。悪い奴ほどよく眠る。この構図の裏には巨悪が潜んでいるんです。まだまだ諦めません。
 
*****************************************

ミャンマー人標的の搾取が横行 「面接指導」名目で手数料、違法の疑い  母国に帰れない弱みにつけ込む

東京新聞 2022年4月19日 06時00分
 
 
日本で就職を目指すミャンマー人留学生らが、日本の人材会社から「面接指導」の名目で手数料を徴収されるケースが多発していることが分かった。就職先の紹介に際し、求職者から手数料を取るのは職業安定法に違反する疑いがあるが、政府は積極的に是正に動いていない。昨年2月のクーデター以降、軍政による市民への迫害が続くミャンマー。帰国を避けたい人の弱い立場が利用されている。(編集委員・池尾伸一) 
 
「私たちをだます会社をなくしてほしい」。ミャンマー人のシートゥアウンさん(36)は怒る。
 将来は母国で建築設計事務所を開く夢を抱き来日。昨春に専門学校を卒業した。だがコロナ禍で日本での就職が難航。東京都内の人材会社から「22万円で希望の仕事を紹介できる」と誘われ、交流サイト(SNS)で指定された口座にお金を送金し、昨年9月に千葉県内の中小企業から内定を得た。
 
 ところが企業は設計を担当させる約束を破り、板金加工の製造現場で働くよう命じた。採用を辞退すると人材会社は「自分から内定を断った」と主張し、返金も別会社への就職の紹介も拒否。シートゥアウンさんは消費生活センターに働き掛けてもらったが、戻ったのは7万円だけだったという。
 ミャンマーでは軍の弾圧が続き、人権団体によると昨年以降、1700人以上が殺害された。在日ビルマ市民労働組合ミンスイ氏は「母国に怖くて帰れない人の弱みに業者がつけこんでいる」と憤る。故郷の母親ら家族が別の街に避難しているシートゥアウンさんは「いつ連行されたり銃で撃たれたりするか分からない。日本で就職したい」と訴える。
 外国人向けの相談窓口を設ける労組JAMゼネラルユニオンには昨春以降、ミャンマー人留学生から、類似の内容の相談が約30件寄せられた。都内の別の人材会社では3人の留学生が内定を取り消され、それぞれ約20万円の契約金は返金されていない。
 職業安定法は、搾取につながりやすいため求職者からの手数料の徴収自体を禁じる。だが人材会社は面接指導などの名目でお金を取る。厚生労働省は「指導料を払わないと就職先が紹介されないなら、違法の疑いがある」(需給調整事業課)とするが、積極的に是正に乗りだしていない。
 外国人の労働問題に詳しい指宿昭一弁護士は「脱法的ビジネスを政府がきちんと取り締まっておらず、逃げ場のない人々が食い物にされている。外国人留学生が安心して職を探せる仕組みが必要だ」と指摘する。
 
 

聴覚障害のある働き手 悩み抱えていても、相談しづらく

私たちの活動が朝日新聞4月4日朝刊で紹介されました。
聴覚障害のある働き手 悩み抱えていても、相談しづらく」
当ユニオンは手話ができるサポーターもいますので、お気軽にご相談くださいませ。

 

************************

聴覚障害のある働き手 悩み抱えていても、相談しづらく

2022年3月29日 14時00分

 

マスク着用が広がり、聴覚障害のある働き手が苦労している。表情や口の動きがわかりにくくなり、意思疎通が難しくなったためだ。悩みの相談先をつくることが課題になっている。

 「かつてなく追い込まれた」

 関東地方の40代男性は2年前の春を振り返る。

 工務店で20年以上、システム構築の仕事をしてきた。音や声を聞きとりにくい障害があったが、相手の口の動きなどを組み合わせて理解してきた。しかし2020年4月、清掃に関わる仕事に配置転換され、職場環境は一変する。

 新しい仕事はオンラインで説明されたが、字幕がなかった。同僚と3人一組での飛び込み営業をしたが、筆談を求めることは難しかった。周りから声をかけてもらえず、一人で延々と掃除をしたこともあった。

 聞こえづらい分、特に集中力を求められる。疲れやすくなり、気持ちも落ち込んだ。体重は10キロ近く減った。「障害へ配慮がない」と感じたが、会社側に「使えない」と思われるのが怖くなにも相談できなかった。

 2カ月後、「元の部署に戻してほしい」と会社側に伝えたが、給与を月10万円近く減らすと告げられた。聴力障害者情報文化センター(東京)を訪れ、紹介された弁護士に相談した。個人で加入できるJAMゼネラルユニオンに入った。

 退社して移った先では、年3回の面談で上司に相談できた。オンライン会議では文字起こしがある。「情報の入り方が変わり、仕事の機会が広がった」

 一般社団法人「ダイアローグ・ジャパン・ソサエティ」が聴覚障害者111人から回答を得た昨年1月の調査では、8割の人がマスク着用に不便や不安を感じていた。「口の動きや表情がよく分からない」「声が半減」など不安の声が目立った。担当者は「声を出さず距離を保って意思疎通できる手話のよさが認識された」とした上で、「マスクの普及から2年たつ現在も、職場での配慮は十分ではない」と話す。

 障害者雇用促進法は、障害者の意向を十分に尊重して相談に応じるよう義務づけている。指針では、相談窓口の設置や援助者の配置などを求めている。

 自らも聴覚障害があり、この問題に詳しい松田崚弁護士は「事業主が障害者と話し合って柔軟に対応する『合理的配慮』の考え方を浸透させることが重要だ」と話す。たとえば、まったく聞こえない人と聞こえづらい人では必要な対応は異なる。手話や筆談も状況に応じたきめ細かさが求められる。だが、実態は「相談を持ちかけても拒否されてしまいがちだ」(松田弁護士)という。

 同法は、企業が合理的配慮を怠った場合の罰則規定がない。全日本ろうあ連盟は「実質的には努力義務。長時間の手話通訳を導入しても負担が重くならないよう費用を十分に助成している英国の取り組みに日本もならってはどうか」と指摘する。

 聴覚障害者の労働問題に詳しい第一生命経済研究所の水野映子・上席主任研究員は「気軽に相談できる場や支援者が少ないことも課題だ」と話す。手話通訳者が待機するハローワークもあるが、時間は限られがち。障害と労働問題の両方に通じた弁護士や労働組合は多くない。

 JAMゼネラルユニオンには、手話ができる人が参加し、筆談も交えて相談にのっている。川野英樹副委員長は「何人もの聴覚障害者が集えば、共通の課題も把握できる。働く聴覚障害者のよりどころになるような労組結成をめざしたい」と話す。

 

https://digital.asahi.com/articles/ASQ3X4FGYQ3DULFA004.html?iref=pc_ss_date_article

 

 

 

 

JAMゼネラルユニオンの第3回定期大会を開催(2022.2.12)

  2022年2月12日(土) 11時00分より、JAMゼネラルユニオンの第3回定期大会を開催いたしました。コロナ禍のために、残念ながらWEB開催となり、友愛会館11階会議室より発信しました。

  JAMゼネラルユニオンは、中小の未組織労働者、非正規労働者外国人労働者や、クラウドワーカーのような個人請負で働くさまざまな仲間の組織化の受け皿として組織化されました。基本理念として(1)「働きがいのある人間らしい仕事(ディーセントワーク)を通じた生活水準の改善」の実現(2)ステークホルダー(利害関係者)全体の利益を大切にする(3)個別労使紛争を集団的労使紛争に止揚する(4)全ての労働者が結集できるユニオンを結成する――としています。

 大会では会社からの嫌がらせに屈しない労働組合の作り方などの質問もありました。この過程を突破してきた経験者も多いので、今後は相互に支え合う仕組みを作り上げたいと思います。

 

(1)大会風景

f:id:konno555:20220222162915j:plain

f:id:konno555:20220222162928j:plain

 

(2)新役員の皆さん

役職

氏名

組織および役職

執行委員長

安河内賢弘

JAM会長

副執行委員長

中井 寛哉

JAM書記長

椎木 盛夫

JAM副書記長 総務・企画・共済部門長

川野 英樹

JAM副書記長 組織・政策部門長

書記長

今野  衛

JAM組織グループ・副グループ長

副書記長

古山  修

JAM組織化推進局 局長

藤岡小百合

JAM組織化推進局

ミン スイ

JAM組織化推進局

執行委員

小嶋 正弘

JAM北関東 書記長

宮下 有一

JAM北関東 副書記長

根岸 朋宏

JAM北関東 副書記長

清野  彰

JAM東京千葉 書記長

岡田 麻美

JAM東京千葉 副書記長

戸田 健一

JAM東京千葉 副書記長

滝上 佳延

JAM神奈川 書記長

西岡 祥行

JAM神奈川 副書記長

池嶋晋一郎

JAM神奈川 オルグ担当 

会計監査

本多 康浩

JAM総合政策グループ グループ長

 

 

(3)労働相談の体制

電話相談  03-6722-0685 or 070-4575-2574

Line相談   lin.ee/qOm13BJu

ホームページ  https://jamgu.web.fc2.com/

ブログ     https://jamgu.hatenablog.com/home

 

 

 

 

改正!! 傷病手当金の支給期間が通算化!!

f:id:konno555:20220203114027j:plain

 

【問】健康保険の傷病手当金の支給期間について改正さ れたとのことですがどのような内容でしょか。

 

 

【答】今回改正されたのは全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保険の傷病手当金です。健康保険組合の場合はそれぞれの組合の決定によりますので加入している組合への確認が必要です。

協会けんぽにおいて、本年 (令和四年)一月一日付で改正、施行されたのは傷病手当 金の支給期間(一年六カ月)の計算方法です。なおこの改 正は令和二年七月二日以降 に支給が開始された傷病手当金に遡って適用されます。

 

【改正前】

支給開始日(欠勤四日目) から一年六カ月の間に、一時的に就労日(傷病手当金 不支給日)があった場合はその日数も含めた歴日数で一年六カ月とされていました。 「例えば、傷病手当金を六カ月受給した後に復職して 就労したものの就労六カ月 後に当初の傷病が再発し欠勤することとなった場合は再度傷病手当金を請求できますが再支給期間は六カ月でした(復職期間=不支給期間も含めた歴日数で一年六カ月となるため)。

 

 【改正後】

支給開始日から一年六カ月の間に、一時的に就労日 (傷病手当金不支給日)があった場合はその日数は除いて、傷病手当金支給日を通 算(合計)した日数が一年六カ月に達する日まで支給されることになりました。

前記の例で言うと、復職 期間の六カ月は除いて再請求後の支給期間の一年間と 当初の支給期間六カ月と通 算して一年六カ月とすることになりました。

 

 

今回の改正は、傷病手当金の支給期間を延長するもので、休職と就労を繰り返すことになるケースなどには、治療と仕事の両立、療養中の所得保障の観点から朗報と言えます。

 

社会保険労務士 太田 彰

 

 

【ポイント 傷病手当金支給期間の改正】

支給期間延長に

支給期間内の一時的就労日を除外

通算して1年6カ月に達するまで支給

違法!! 焼肉屋でのバイトなのに業務委任契約(準委任)

大学生の父親からの相談。

普通の焼肉屋で接客調理業務のアルバイトする大学生の契約書です。

店長の指揮命令下で働いているのに業務委任契約(準委任)だって。

あらゆる労働法規からの脱法行為ですね。

委託料は1時間あたり1100円(消費税込)だって!!

本当に許せません。

こういう相談増えてきてます。

ぜひお子さんがアルバイトをしている場合、親がその契約書を確認してみて下さい。

 

 

外国人経営者が外国人労働者に賃金を支払わない相談が急増

f:id:konno555:20211029131735j:plain


 外国人経営者が外国人労働者に賃金を支払わない相談が増えています。東京の都心部特有の労働相談ですね。
 本日もミャンマー人Tさんの賃金未払い事件を、三田労基署に違反申告してきました。ネパール人が経営するケバブ屋で働き始めたのですが、当初示された時給(1080円)が、3日後に反故にされたのです。11時から23時まで(休憩は20分のみ)の勤務にかかわらず、月給では15万円だと言われたのです。
 3日働いたところで労働条件を変更されたため、退職を申し入れたのです。ところが経営者は急に退職したので、3日分の給与は支払わないと通告してきたのです。
 外国人の場合は、友達の紹介というが多く、社長の名前さえ知らない事も多いのです。今回もそうだったので、会社登記簿をとって経営者を調べるところからスタートしました。予想通り、会社に賃金請求書をだしても音沙汰無し。労基署へ違反申告しましたので、すぐに調査に入っていただけると思います。
 言葉の問題から泣き寝入りする外国人労働者が本当に多いから、表ざたになるのは本当に氷山の一角ですね。賃金請求は簡単なので是非とも相談して欲しいです。

デンマークのマクドナルド従業員、ストライキで高給と福利厚生を獲得

 f:id:konno555:20210929150923j:plain

www.DeepL.com/Translator(無料版)で翻訳しました。
 
投稿者 マット・ブルーニグ
 
デンマークでは、マクドナルドの従業員は、時給22ドルと6週間の休暇をもらっています。それは、デンマークの資本家がより賢明だからではありません。1980年代にマクドナルドがデンマークに進出した際、労働組合が大規模なストライキやボイコットを行ったからです。
 
数ヶ月に一度、著名人や出版社が、デンマークマクドナルド従業員が時給22ドル、6週間の休暇、病気手当を受け取っていることを指摘する。この報酬は、児童手当、医療費、育児費、有給休暇、退職金、大学までの教育費など、デンマークの一般的な社会保障制度に上乗せされている。
 
このような議論の中で、どのようにしてこのような状況が生まれたのかについては、ほとんど語られていません。北欧の労働市場がなぜこのような形になったのかを知るための良い材料であるだけに、これは悲しいことである。
マクドナルドがデンマークに1号店をオープンしたのは1981年。その時点で、マクドナルドは20カ国以上で事業を展開しており、スウェーデンを除くすべての国で労働組合を避けることに成功していた。
 
マクドナルドがデンマークに進出した当時の労働市場は、特定の部門で働くすべての労働者の賃金や条件を定めた部門別労働協約で管理されていた。マクドナルドがデンマークに進出したとき、労働市場は部門別労働協約によって管理されていた。しかし、法的に言えばそうする必要はなかったのです。組合契約は、契約書と同じように、セクターの使用者を拘束するものではありません。それを無視したからといって、会社を訴えることはできない。あくまでも "任意 "なのだ。
 
マクドナルドは、組合協定に従わず、独自の給与水準と就業規則を設定した。これは、デンマークの企業だけでなく、他の似たような外国企業が行っていることとさえも異なるものでした。例えば、マクドナルドと同じバーガーキングは、数年前にデンマークに進出した際、組合契約に従うことを決めていた。
 
当然のことながら、マクドナルドのこの決定はデンマークの労働運動の注目を集めた。報道によれば、マクドナルドにホテル・レストラン労働者の協定に従わせるための闘いは1982年に始まったが、最初は非常に遅かった。マクドナルドは、組合や交渉に反対する原則的な立場を堅持しており、報道機関の働きかけでは、その立場を崩すことができなかった。
 
1988年末から1989年初めにかけて、労働組合はもう十分だと判断し、マクドナルドの経営を麻痺させるために、隣接する産業でシンパシーストライキを行った。16の異なる業種の組合がシンパシー・ストライキに参加した。
 
港湾労働者は、マクドナルドの備品が入ったコンテナの荷降ろしを拒否した。印刷工は、メニューやカップなどの印刷物を店舗に提供することを拒否した。建設労働者は、マクドナルドの店舗を建設することを拒否し、すでに進行中で完成していない店舗の建設を中止したこともあった。タイポグラファーの組合は、マクドナルドの広告を出版物に掲載することを拒否し、マクドナルドの印刷広告の存在感を消してしまいました。トラック運転手は、マクドナルドへの食品やビールの配達を拒否しました。店頭に並べる食品を準備する施設で働く飲食業の労働者は、マクドナルドの製品に携わることを拒否した。
 
マクドナルドのサプライチェーンを破壊するだけでなく、組合はマクドナルドの店舗前でピケやビラを配り、消費者にマクドナルドのボイコットを呼びかけました。
シンパシーストライキが始まると、マクドナルドはあっという間に折れてしまい、1989年からはホテル・レストラン協定に従うことにした。
 
デンマークマクドナルド従業員の時給が22ドルなのはそのためです。
 
私がこの話をしたのは、北欧諸国の経済は我々の国よりもはるかに平等であると、いろいろ言われるからです。しかし、北欧の組合がどれほど強力で組織化されているかについては、ほとんど議論されていません。よく知らなければ、北欧の労働市場がこのようになっているのは、すべての雇用者と労働者が一緒になって、自分たちのシステムがすべての人にとってより良いものだと合意したからだと思うでしょう。もちろん、日々の労働関係が平和であることは事実ですが、その平和の裏には、一カ所や一企業でのストライキだけでなく、その企業が触れているあらゆるものをストライキして、一線を越えた雇用主を組合が潰すという信頼できる脅威が潜んでいることが多いのです。
 
最近では、2019年にフィンランドで、国営の郵便局が700人の小包取扱員の給与を削減することを決定し、現在の給与とは異なる部門協定に移行させたことがありました。これに対して組合は、航空会社、フェリー、バス、列車、港などでストライキを行いました。ストライキの結果、給与削減は撤回され、首相は辞任しました。
 
この話をすると、「アメリカではこの種のストライキは違法だ」という反応が返ってくることがあります。これは確かに情報としては価値があるのですが、法的環境の違いが労働者の過激さの原因であるという意味では、明らかに逆です。法律が労働過激派を動かしているのではなく、労働過激派が法律を動かしているのである。
 
このことは、2018年にフィンランドで起きた別の最近の例を見ればよくわかります。そこでは、保守政権が、従業員が20人以下の雇用主が労働者を解雇することを容易にする法律の成立を準備していました。その目的は、解雇が容易になることで雇用のリスクが減り、雇用を促進するという、ありきたりのものでした。
 
フィンランドの労働運動はこのアイデアが気に入らず、大規模な政治的ストライキを行い、さまざまな分野の労働者を傍観させた。ストライキの波を受けて、政府は法案を変更し、従業員10人以下の雇用主にのみ適用することにした。ストライキが続いたため、政府は再び法案を変更し、今度は裁判所が不当解雇事件を裁く際に雇用者の規模を考慮すべきだという一般的な内容にした。少なくとも組合によれば、フィンランドの裁判所はすでにこのようなことを行っているので、この法案は基本的に無意味なものとなった。そこで、組合はストライキを中止したのである。
 
もしフィンランド政府が、アメリカ政府と同じようにシンパシー・ストライキを禁止しようとしたら、どうなるかは想像に難くない。
 
北欧レベルの平等を実現するためには、同様に強力な労働運動を構築することなくしては考えられないのです。福祉制度を真似るなどして、ある程度は実現できるでしょうが、労働組合がなければ、常に重要な部分が欠けてしまいます。また、法律や政策の改革は労働運動の構築に役立ちますが、組織労働者の力は最終的には国家に根ざしたものではなく、国家が敵対していても生産を停止して大混乱を引き起こす能力にあります。
マクドナルドがデンマーク人に高い賃金を支払っているのは、法定賃金の下限があるからではなく、また、団体協約を実施するために国が介入したからでもない。マクドナルドがデンマーク人に高い賃金を支払っているのは、1980年代にデンマーク労働組合がスイッチを入れて事業全体を停止させたからであり、マクドナルドは彼らが再び同じことをするかどうかを知りたくないのだ。
 
これは、私たちがたどり着かなければならないところです。

茨城の大型家電量販社員の休日111日に 30年ぶりに労働協約拡張

凄いニュースが飛び込んできた。
粘り強く取り組んできたUAゼンセンの大金星。
茨城の大型家電量販社員の休日111日に 30年ぶりに労働協約の地域的拡張適用が決定した。
1982 年に愛知県尾西地域の染色業で旧ゼンセン同盟が締結した年間休日に関する協約が拡張適用された事例(1984 年の第2 次決定,1989 年の第3 次決定を含む)以来。
過去8件の適用があるが、厚労相名での決定は初めて。
余談ではありますが、1982年に愛知で地域的拡張適用を進めたのは、当時ゼンセン同盟愛知県支部一宮出張所長だった二宮誠さん。そう皆さんのよく知っている伝説のオルガナイザー。
********************************
朝日デジタル 2021年9月22日 12時30分
茨城の大型家電量販社員の休日111日に 30年ぶりに労働協約拡張
 ある会社の労働組合が会社と交渉して決めた労働条件が、同じ地域の同じような会社すべてに一律で適用される――。労働協約の「地域的拡張適用」といわれる決定が22日、厚生労働省から出た。茨城県内の大型家電量販店は、正社員の年間休日数を最低でも111日にしなければならない。地域的拡張適用の決定は約30年ぶり。
 拡張適用になるのは、家電量販のヤマダ電機(現ヤマダホールディングス、群馬県高崎市)、ケーズホールディングス水戸市)、デンコードー宮城県名取市)と、3社の労組が2020年4月に結んだ労働協約。正社員の年間の所定休日数を最低111日としている。3社の労組の申し立てを受けた中央労働委員会が8月に承認。9月22日に厚労相名で決定した。
 適用先は、茨城県内にあって①大規模小売店舗立地法の対象②少なくともエアコン・冷蔵庫・洗濯機を販売③面積が一定以上ある――といった条件にあてはまる店。管理職以外の正社員が対象になる。総合スーパーやホームセンターは含まない。期間は22年4月1日から23年5月31日まで。
 労働協約は労組と会社が話し合って決めたもの。就業規則や個別の労働契約で協約の水準を下回る労働条件を定めても無効になる。対象は原則、協約を結んだ労組の組合員だが、拡張適用されるとそれ以外の労働者にも広がる。
 関係者によると、茨城県内にはすでに協約の対象になっている店が約50店あり正社員は約600人。それ以外は2社5店で正社員は約60人。茨城県全体の9割にすでに同じ協約が適用されているとして、拡張が認められた。新たな適用先には休日が年106日の会社があるという。
 厚労省によると地域的拡張適用の決定は1989年以来。過去8件あるが、厚労相名での決定は初めて。
 日本の労働組合は企業ごとに組織されることが圧倒的に多い。労組が企業の枠を超えて集まる産業別組織があっても、労働条件は企業ごとの交渉で決まる。産業ごとの交渉が一般的な欧州の労組とは対照的だ。
 労働協約の地域的拡張適用は企業の枠を超える効果をもたらす。だが、実例は少ない。特にバブル経済が崩壊してからは長い空白期間があった。
 デフレ下で激しい価格競争を繰り広げてきた家電量販業界では労働条件が悪化しているという指摘がある。111日という年間休日数は、厚生労働省調査の労働者平均116日(2019年)より低い水準だ。
 今回、拡張適用される協約はすでに茨城県内の9割で適用されている。新たな適用先は1割。効果が小さいようにみえるかも知れない。しかし、値引き競争が行き過ぎると、一部の会社の動きが引き金になって労働条件の切り下げ競争もおこりがちだ。拡張適用で労働条件をそろえることは働き手を守る効果がある。
 拡張適用の実現に今回取り組んだのは、繊維や流通、外食の労組で組織する産業別組織のUAゼンセンだった。地域的拡張適用に詳しい古川景一弁護士は「労働組合が獲得した労働条件を、組織化されていない労働者も含めて社会全体に広げることに拡張適用の意味がある」と話す。(編集委員・沢路毅彦)
     ◇
 〈労働協約の地域的拡張適用〉 会社と労働組合が話し合って決めた労働協約を地域全体に適用すること。労働組合法18条に規定がある。一定の地域で同じような労働者の大部分が同じ協約のもとで働いていることが適用の条件。労働組合か会社が申し立て、労働委員会が調査、判断する。
 

JAMゼネラルユニオンの活動が毎日新聞で紹介されました

毎日新聞 2021年6月7日朝刊
**********************
 母国でのクーデターに抗議する在日ミャンマー人の活動が、批判にさらされている。新型コロナウイルスの感染を広げかねないとして、「デモなんかするな」「国へ帰れ」と心ない言葉を浴びせられているのだ。ミャンマーの人たちの心情を知ろうと、抗議集会に足を運び、当事者の声に耳を傾けた。取材を進めると、職場に解雇や休職をちらつかされ、集会参加すら許されない実態が見えてきた。
 「ミャンマーを解放せよ!」「指導者を解放せよ!」。大型連休中の5月2日、在日ミャンマー人ら約350人が神戸市内の公園で抗議集会を開き、シュプレヒコールを上げていた。
 ミャンマーでは2月にクーデターが起き、アウンサンスーチー氏が率いる国民民主連盟(NLD)から国軍が政権を奪った。国内外で国軍への抗議運動が活発化し、日本でもデモや集会が相次いでいる。この日の集会で、参加者は母国の犠牲者へ弔意を示す黒い服にマスク姿で、互いに距離を取って並んでいた。緊急事態宣言下のため、予定していたデモは中止にした。
 在日ミャンマー人たちは自由に集会にも参加できないジレンマを抱えている。
 「私たちは、何かあればすぐに『国に帰って』と言われる。『仕事以外は何もするな』と思われている」。近畿地方の工場で技能実習生として働く20代のミャンマー人女性はつぶやいた。
 この女性もクーデターに抗議するため、2月上旬に神戸市内の集会に参加した。しかし、実習先の幹部から「コロナに感染したら困る。今後は絶対に行くな。もし行ったら仕事を休ませる」と注意されたという。会社の寮に住んでおり、遠出には報告が必要だ。週6日、午前9時から午後6時ごろまで働き、手取りは月12万円程度。母国の家族への仕送りや家賃を除いた3万円で1カ月の生活をやりくりする。その後はデモへの参加を断念している。
 労働組合「JAMゼネラルユニオン」(東京都港区)には、埼玉県や岐阜県など全国の技能実習生から「コロナ禍を理由にデモへの参加を禁止された」という相談が約30件寄せられている。実習生にだけ、「デモに参加したら仕事を辞める」という誓約書に署名させたケースもあったという。
 コロナ禍での抗議活動には批判や中傷が絶えず、ネット上には「国に帰ってやってください」という書き込みが並ぶ。大阪府に住む留学生のシュエイー・ウィンさん(22)は心を痛め、2月にツイッターで「日本人の皆さん(へ)」と題したメッセージを投稿した。
 「コロナ禍の中、ミャンマー人が多く集まり、抗議していることを申し訳なく思っております。自分の国の平和と夢のために頑張って生きるためなのです。ミャンマーで起きている事件は、もはや国内では解決できない問題となっています」
 日本はミャンマーに多額の政府開発援助(ODA)を行い、金額非公表の中国を除けば最大の支援国だ。クーデター後は新規のODA案件を事実上停止しているが、経済制裁には慎重な立場を示しており、約3万3000人(2020年6月末現在)の在日ミャンマー人の間では不満が高まる。
 ウィンさんは、コロナ禍での日本人の心情に配慮する一方、母国で犠牲者が絶えない状況を見ると、行動を起こす必要を感じている。「少しでも関心を持ってもらえたら、状況は変わるかもしれない。日本人の皆さん、どうかミャンマーを無視しないで」【古川幸奈】
 

f:id:konno555:20210607164429j:plain