毎日新聞 2021年6月7日朝刊
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在日ミャンマー人たちは自由に集会にも参加できないジレンマを抱えている。
この女性もクーデターに抗議するため、2月上旬に神戸市内の集会に参加した。しかし、実習先の幹部から「コロナに感染したら困る。今後は絶対に行くな。もし行ったら仕事を休ませる」と注意されたという。会社の寮に住んでおり、遠出には報告が必要だ。週6日、午前9時から午後6時ごろまで働き、手取りは月12万円程度。母国の家族への仕送りや家賃を除いた3万円で1カ月の生活をやりくりする。その後はデモへの参加を断念している。
ウィンさんは、コロナ禍での日本人の心情に配慮する一方、母国で犠牲者が絶えない状況を見ると、行動を起こす必要を感じている。「少しでも関心を持ってもらえたら、状況は変わるかもしれない。日本人の皆さん、どうかミャンマーを無視しないで」【古川幸奈】