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社会正義守る国際連帯はJAMの使命

社会正義守る国際連帯はJAMの使命

 発生から 2 カ月。ミャンマー国軍による軍事クーデターは、国際的な厳しい批判にもかかわらず、権力構造を維持し続けている。抗議する市民に銃を向け、子どもをも含む多数の死者を出しているばかりでなく、日本人ジャーナリストも拘束されたという。

 JAMは、国内労働界の先陣を切って抗議の姿勢を示すとともに、ミャンマーの民主主義再建と民主的政権の復帰に向けた日本政府の積極的関与を求める団体署名を、全国約 1300 の加盟組合から集約。ものづくり国会議員懇談会メンバーとともに、FWUBC(在日ビルマ市民労働組合)のミンスイ会長、安河内会長が、署名組織の組合員総数は約 36 万 5 千人にのぼる署名簿を、國場幸之助外務大臣政務官に手渡した。

 JAMは、日本で暮らしつつ母国の民主化を望むミャンマーの人々と約 20 年前から連帯し、彼らが日本で立ち上げたFWUBCの活動を支援してきた。さらに昨年、彼らをJAMの加盟組合として迎え入れることもできた。

 今回のクーデターへのJAMの対応は、このFWUBCの存在が一つの要因ではあるが、1999 年のJAM結成時に「JAMの理念」とともに決定した、「行動理念」に基づく行動だということも忘れてはいけない。

 JAMの「行動理念」は、人間の尊厳や社会正義を守るために、「左右の全体主義に反対し、毅然とした態度で臨みます」と謳い、さらに国際連帯として「自由を抑圧された人々を救済するという崇高な使命を果たすべく努力を傾注」と示している。つまりJAMは、人々の自由を抑圧する全体主義や、独裁、専制に対して、国境を越えて毅然とした態度を示す使命を持つ組織だということを、改めて強調しておきたい。

 海外に目を転じると、コロナ禍の混乱の中で、政権批判の弾圧、強制収監、信教の自由の侵害など、あちこちで深刻な人権侵害が指摘される独裁国家の権勢が目に余る。

 いずれにせよ、海の向こうで起こっていることにもアンテナを高く張り、注目することが大切だ。 一人ひとりが関心を持つことが、圧政に苦しむ人々への支援の第一歩になるのだから。

JAM副書記長 椎木盛夫
(機関紙『JAM』2021年4月25日号より)