【問】健康保険の傷病手当金の支給期間について改正さ れたとのことですがどのような内容でしょか。
【答】今回改正されたのは全国健康保険協会(協会けんぽ)の健康保険の傷病手当金です。健康保険組合の場合はそれぞれの組合の決定によりますので加入している組合への確認が必要です。
協会けんぽにおいて、本年 (令和四年)一月一日付で改正、施行されたのは傷病手当 金の支給期間(一年六カ月)の計算方法です。なおこの改 正は令和二年七月二日以降 に支給が開始された傷病手当金に遡って適用されます。
【改正前】
支給開始日(欠勤四日目) から一年六カ月の間に、一時的に就労日(傷病手当金 不支給日)があった場合はその日数も含めた歴日数で一年六カ月とされていました。 「例えば、傷病手当金を六カ月受給した後に復職して 就労したものの就労六カ月 後に当初の傷病が再発し欠勤することとなった場合は再度傷病手当金を請求できますが再支給期間は六カ月でした(復職期間=不支給期間も含めた歴日数で一年六カ月となるため)。
【改正後】
支給開始日から一年六カ月の間に、一時的に就労日 (傷病手当金不支給日)があった場合はその日数は除いて、傷病手当金支給日を通 算(合計)した日数が一年六カ月に達する日まで支給されることになりました。
前記の例で言うと、復職 期間の六カ月は除いて再請求後の支給期間の一年間と 当初の支給期間六カ月と通 算して一年六カ月とすることになりました。
今回の改正は、傷病手当金の支給期間を延長するもので、休職と就労を繰り返すことになるケースなどには、治療と仕事の両立、療養中の所得保障の観点から朗報と言えます。
社会保険労務士 太田 彰
【ポイント 傷病手当金支給期間の改正】
支給期間延長に
支給期間内の一時的就労日を除外
通算して1年6カ月に達するまで支給