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ミャンマー人標的の搾取が横行 「面接指導」名目で手数料、違法の疑い  母国に帰れない弱みにつけ込む

ミャンマー人標的の搾取が横行 「面接指導」名目で手数料、違法の疑い  母国に帰れない弱みにつけ込む:東京新聞
 
私たちのユニオンの活動の一端が東京新聞の一面に掲載されました。悪い奴ほどよく眠る。この構図の裏には巨悪が潜んでいるんです。まだまだ諦めません。
 
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ミャンマー人標的の搾取が横行 「面接指導」名目で手数料、違法の疑い  母国に帰れない弱みにつけ込む

東京新聞 2022年4月19日 06時00分
 
 
日本で就職を目指すミャンマー人留学生らが、日本の人材会社から「面接指導」の名目で手数料を徴収されるケースが多発していることが分かった。就職先の紹介に際し、求職者から手数料を取るのは職業安定法に違反する疑いがあるが、政府は積極的に是正に動いていない。昨年2月のクーデター以降、軍政による市民への迫害が続くミャンマー。帰国を避けたい人の弱い立場が利用されている。(編集委員・池尾伸一) 
 
「私たちをだます会社をなくしてほしい」。ミャンマー人のシートゥアウンさん(36)は怒る。
 将来は母国で建築設計事務所を開く夢を抱き来日。昨春に専門学校を卒業した。だがコロナ禍で日本での就職が難航。東京都内の人材会社から「22万円で希望の仕事を紹介できる」と誘われ、交流サイト(SNS)で指定された口座にお金を送金し、昨年9月に千葉県内の中小企業から内定を得た。
 
 ところが企業は設計を担当させる約束を破り、板金加工の製造現場で働くよう命じた。採用を辞退すると人材会社は「自分から内定を断った」と主張し、返金も別会社への就職の紹介も拒否。シートゥアウンさんは消費生活センターに働き掛けてもらったが、戻ったのは7万円だけだったという。
 ミャンマーでは軍の弾圧が続き、人権団体によると昨年以降、1700人以上が殺害された。在日ビルマ市民労働組合ミンスイ氏は「母国に怖くて帰れない人の弱みに業者がつけこんでいる」と憤る。故郷の母親ら家族が別の街に避難しているシートゥアウンさんは「いつ連行されたり銃で撃たれたりするか分からない。日本で就職したい」と訴える。
 外国人向けの相談窓口を設ける労組JAMゼネラルユニオンには昨春以降、ミャンマー人留学生から、類似の内容の相談が約30件寄せられた。都内の別の人材会社では3人の留学生が内定を取り消され、それぞれ約20万円の契約金は返金されていない。
 職業安定法は、搾取につながりやすいため求職者からの手数料の徴収自体を禁じる。だが人材会社は面接指導などの名目でお金を取る。厚生労働省は「指導料を払わないと就職先が紹介されないなら、違法の疑いがある」(需給調整事業課)とするが、積極的に是正に乗りだしていない。
 外国人の労働問題に詳しい指宿昭一弁護士は「脱法的ビジネスを政府がきちんと取り締まっておらず、逃げ場のない人々が食い物にされている。外国人留学生が安心して職を探せる仕組みが必要だ」と指摘する。