職場トラブルよろず相談所

JAMゼネラルユニオンが運営する無料の労働相談ダイヤルです。

【登壇労組リーダー】戦略とオルガナイザーの育成/古山 修【労働新聞】

2013年12月23日 【労働新聞】

 

組織化・組織拡大は、机上または座学だけで考えるように簡単にはいかない。組織率低下の要因の一つは、「戦略なき机上と座学で立てた計画」にある。そしてもう一つの要因は、オルガナイザー(以下「オルグ」という)の育成ができていないことである。

 しかし、筆者は、労働組合の現状は、危機ではあるが、深刻ではないと考えている。その判断根拠は、①労働組合の現状は、人為的に作られたもの(労働組合の怠慢)で可変であり、②若者と女性の組合離れはなく、③「労働組合を必要」とし「労働組合への期待感」を寄せているからである。また、労働組合が④オルグを育成し、⑤戦略を立てれば、組織拡大は可能である。では戦略とは、またオルグとは、何か。

 「戦略」とは、分析、要求事項、プロパガンダ、時間軸、場所を分析・判断することであり、「分析」とは、①企業②職場③財務④従業員の分析である。「要求事項」とは、①分析から生まれる求心力ある事項で、「プロパガンダ」は、労働者と企業に対してのものであり、「分析」と「要求事項」の整理の中で決定する。「時間軸」とは、最良のタイミング。「場所」とは、拠点か一斉か、ということである。

 戦略は、労使自治を構築するまでの長い道のりである。労働組合は目的ではなくツールであり、戦略は時間軸の中で変化していく。時代が変わっていくのに同じやり方では失敗するため、流れに合わせて行動すべきだ。戦略・戦術は基本的なことを決めるだけで、進捗状況に合わせ柔軟に対応していけばいい。したがって、戦略・戦術は緻密であってはならない。

 オルグは、実践、情報を収集し分析、そして企業内に核(人)を見つける作業だ。当然、戦略的思考を持たねばならない。組合結成には、オルグと企業内に核が不可欠である。労働運動とは人であり、人との出会い、人間関係と信頼関係である。オルグ、企業の核、経営者、人脈は、いずれも人である。したがって、オルグは量だけではなく質である。訓練・実践したオルグでなければ戦力にはならないのだ。

筆者:連合東京 組織化推進局長 古山 修

 

www.rodo.co.jp

https://www.rodo.co.jp/series/17071/